日本キリスト教団河内長野教会

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説教集

SERMONS

2022年8月14日 説教:森田恭一郎牧師

「海が開く、天が開く」

出エジプト一四・一九~二五
マタイ   三・一六~一七

今日は、神様がイスラエルの人々をエジプトの国から救い出されたお話です。人々はエジプトで奴隷になってこき使われていました。自由に礼拝を献げることも出来ません。それで、この苦しみから救って下さ~いと助けを求めて叫んでいました。神様はこれを聞き取って下さり、モーセを指導者にして、人々を、神様を礼拝する所に向けてエジプトから導き出して下さいました。

ところが、その途中、大変なことになりました。目の前には海が広がっていました。ふと後ろを見ると、エジプトの兵隊たちが馬に乗って向かってくるでは在りませんか。前には海、後ろからはエジプトの軍隊が攻めてくる。あぁ、もう絶体絶命! 目の前には海です!

 

その時、神様はモーセに命じて、手を海に向かって差し伸べさせました。すると不思議不思議、主が夜もすがら(=夜通し 一晩中)激しい東風をもって海を押し返らせたので、海は乾いた地に変わり、水は分かれた(出エジプト記一四・二一~)のでした。海が開いた! それでイスラエルの人々は、乾いた所を進んで行き、水は彼らの右と左に壁のようになった。この時、人々は本当に分かりました。神様っていらっしゃるんだ。この神様が私たちを救って下さったんだ!

その後、エジプト軍が追ってやって来たのですが、途中で車輪がはずれたりして進みにくくなってしまいました。そして実はエジプトの人たちも分かりました。「イスラエルの前から退却しよう。主が、彼らのためにエジプトと戦っておられる」(出エジプト一四・二五)。

 

イスラエルの人々、神の民はまるで水の中をくぐり抜けるようにして救われました。聖書にはこういう話はまだあります。ノアとその家族たち、神様がお命じになったあの箱舟に乗って、大洪水の中を生き延びました。それからヨナ、三日間、魚のお腹の中で過ごして生き延びました。そしてニネベに遣わされたのでした。水の中にいたら死んでしまいます。でもそこをくぐり抜けて命に与ります。

私たちも、水をくぐり抜けねばなりません。洗礼です。水の中に入って、神様を信じない古い自分が死んで、水の中をくぐり抜けて水から上がるとイエスさまを信じる新しい命に与ります。

 

イエスさまが洗礼を受けられた時の話です。洗礼を受けられてイエスさまも水の中に。私たちとは反対なのですが、それまでのご自分から、その後のご自分への生まれ変わりが起こりました。それまで神様であられたイエスさまが古い自分に死んでしまわれます。そして水から上がられて、私たちの罪を負う人となられました。

洗礼を受けられたときに起こった出来事を聖書は記しています。イエスは洗礼を受けると、すぐ水の中から上がられた。その時、天がイエスに向かって開いた(マタイ三・一六~)。そしてイエス様は、神の霊が鳩のように御自分の上に降って来るのをご覧になった。その時「これは私の愛する子、私の心に適う者」と言う声が、天から聞こえた。

これは実は、イエスさまだけではありません。洗礼を受けると、私たちも、その人に向かって天が開く。そして、私たちも「これは私の愛する子、私の心に適う者」と声をかけて戴ける。そして洗礼を受けたその時だけではありません。一生涯、歳をとっても、また何か困難の中にあって八方塞がりでも、自分に天が開いている。イエス様が「私の愛する子」と声をかけておられると信じることが出来るようになるのです。

まだ洗礼を受けておられない皆さん、皆さんも恐れないで、洗礼の水の中をくぐり抜けて来て下さい。天が開きます。

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