日本キリスト教団河内長野教会

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説教集

SERMONS

2021年12月19日 説教:森田恭一郎牧師

「主をあがめ、賛美をささげて」

詩編一一三・四~六
ルカ  二・一~二〇

クリスマスおめでとうございます。クリスマスの晩、イエス・キリストが天から地へと降って来られてお生まれになりました。昔の信仰者が歌ったキリスト賛歌、キリストは神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました(フィリピ二・六~)。それで布にくるまって飼い葉桶に寝ている乳飲み子としてこの地上においでになりました。

それでクリスマスの晩、神様のおられる天上の世界には、神様の栄光と喜びが満ち満ちていました。「いと高き所には栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ二・一四)。天使たちの賛美の歌声も天に響き渡っておりました。天上では、主は全ての国を超えて高くいまし、主の栄光は天を超えて輝く。私たちの神、主に並ぶものがあろうか。主は御座を高く置き、なお、低く下って天と地を御覧になる(詩編一一三・四~六)。

 

一方地上には、天を見上げる人はいなかったのでしょうか。その天上の世界の様子に気が付いた人は地上には誰もいませんでした。

ただ羊飼いたちだけが気が付きました。いや自分から気付いたのではありません。天使が告げ知らせてくれたので「ああそうなんだ」と知りました。それは羊飼いたちにだけです。突然、夜の大空が開いて、神の栄光が天からこぼれ落ちてくるようにして羊飼いたちの周りを照らし、天使たちの歌い交わす賛美の歌声も羊飼いたちを包み込んだのでした。「いと高き所には栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」。天使の大軍の天に満ちあふれる賛美の歌声を初めて聞きました。どんな調べ、どんな歌声だったのでしょう。私たちも今先程、歌いました。

♪「荒野の果てに夕日は落ちて 妙なる調べ

天より響く。グロリア イン エクセルシス

デオ、グロリア イン エクセルシス デオ」♪(讃美歌二六三・一)。

グロリア イン エクセルシス デオ とは、栄光が一番高い所(=天)にあっては神に、という意味。

 

さあ、この大空に響き渡る天使たちの調べに聴き入った羊飼いたち、すごいな、いと高き所には栄光が神にあるんだって、その歌声を心の中に満たします。何度も、何度も天使たちの歌声を心の中に響き渡らせます。

♪「羊を守る 野辺のまきびと、天なる歌を 喜び聴きぬ。グロリア イン エクセルシスデオ、グロリア イン エクセルシス デオ」♪(讃美歌二六三・二)

そして告げ知らせてくれた通りに「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた(ルカ二・一五~一六)。そうしたら本当に、乳飲み子が、布にくるまって飼い葉桶に寝ているではありませんか。

それで羊飼いたちはどうしましたか。その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。この方こそ救い主ですと。恐らく羊飼いたちが知らせたのは、天使が話してくれたことだけではないでしょう。天使たちの大軍が大空に広がって歌い交わしたその調べも知らせ、御子を拝んだことでしょう。

♪「み歌を聴きて、羊飼いらは、馬槽(まぶね)に伏せる 御子を拝みぬ。グロリア イン エクセルシス デオ、グロリア イン エクセルシス デオ」♪(讃美歌二六三・三)。

天使たちの歌声を知らせたに違いありません。

 

それから、羊飼いたちはどうしましたか? 羊飼いたちは、見聞きしたことが全て天使の話した通りだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。ベツレヘムに向かう時には、布にくるまって飼い葉桶に寝ている乳飲み子を探しながら、天使の言葉と賛美の調べを何度も何度も心の中に噛みしめるように思い起こしました。そして乳飲み子を見つけました。天使たちの告げ知らせてくれた話はその通りだった、神の言葉は本当だと確信して、今度ベツレヘムから自分たちの所に帰る時には、神をあがめ、賛美しながら帰って行きました。帰り道は賛美を歌いながらです。

♪「今日しも御子は 生まれ給いぬ。世界の民よ、歓び歌え。グロリア イン エクセルシス デオ、グロリア イン エクセルシス デオ」

(讃美歌二六三・四)。

キリスト賛歌は続けて歌います。キリストは、

人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の詞に至るまで従順でした(フィリピ二・七~八)。羊飼いたちはまだ知りませんでした。この乳飲み子が十字架にかかり、私たちの罪を負って下さるということを……。その後羊飼いたちは、悲しみや困難にぶつかると、お布団でもベッドでもない布にくるまって飼い葉桶に寝ている乳飲み子のお姿に、十字架に至るお姿を見出して、その度に、神をあがめ、賛美をささげ、慰めと勇気を戴いて元気を取り戻したことでしょう。

 

さて、最初に詩編の言葉を聴きました。主は全ての国を超えて高くいまし、主の栄光は天を超えて輝く。私たちの神、主に並ぶものがあろうか。主は御座を高く置き、なお、低く下って天と地を御覧になる。この礼拝の皆さんを、イエス様はご覧になっておられます。また今日はこの後、幼児洗礼式を執り行います。この幼子とご家庭を神様は天からご覧になっておられます。イエス様もお祝いしておられます。

クリスマス礼拝のこの日、今日も、神様のおられる天上の世界には、神様の栄光と喜びが満ち満ちています。「いと高き所には 栄光、神にあれ。地には平和、御心に適う人にあれ」。天使たちの賛美の歌声が今日、天に響き渡っています。

グロリア イン エクセルシス デオ。私たちも一緒に、神をあがめ、賛美をささげようではありませんか。

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