日本キリスト教団河内長野教会

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説教集

SERMONS

2023年8月13日 説教:森田恭一郎牧師

「楽しみに待つ」

フィリピ三・二〇~二一

今日は説教題を「楽しみに待つ」としました。今日の結論は、主イエス・キリストが天から救い主として来られるのを楽しみに待つ、です。

突然ですが、皆さんは生まれてくる前、お母さんのお腹の中で、生まれること、生まれていくことを楽しみにしていましたか? お母さんはあなたが生まれてくるのを楽しみにしていましたよ。生まれてみたら、助産師さんが受けとめてくれてお母さんの胸元にしっかり抱っこしてもらいました。生まれてきて良かった、と思ったに違いありません。

他に何か、楽しみに待つことはありますか? 誕生日が来るのは楽しみでしょう。誕生日には、ハピバスデー トゥ ユー、とみんなにお祝いしてもらいます。プレゼントももらいます。それを思うと楽しみです(大人の方はどうですか。誕生日は楽しみではないと思いますか? この一年のいただいた恵みの出来事を一つひとつ思い起こして数えてみる。あの時は辛かったけどあれも今思うと恵みだったなと。そのように人生を捉えていくのも楽しみです)。

他には楽しみに待つことありますか? 夏休み、どこかに旅行に行きましたか? 海で泳いだり、山に登ったり。バーベキューもおいしいかな。そんなこと思うだけでもウキウキしますね。目的地にはどう行きますか。自動車に乗って高速道路を走る。電車で行きますか。駅のホームに電車が入ってくる。それだけでもワクワクします。飛行機。滑走路を走り始めました。さぁ、行くぞ、飛び立つぞ! 楽しみです。空からの景色も楽しみです。

楽しみに待つことは沢山あります。日常生活の中にもありますよ。例えば、お店の人はお客さんが来るのを楽しみにしています。農家の人たちは収穫を楽しみにしています。それからお父さん、お母さんは君たちの成長を楽しみにしています。テストや受験の結果も楽しみに出来るようになるといいですね。

私はといえば…。日曜日、皆さんが集ってくれるのを楽しみに待ちます。こうやって一緒に礼拝をささげられると思うと、楽しみです。実は、イエスさまが一番楽しみにしておられますよ。皆さんのお顔が見られなかったら寂しいです。

 

話は変わりますが、病院である患者さんがこう言われました。「人生の入口と出口、私には分からないなぁ」って。自分がこの世に生まれてくるって、思えば不思議ですね。実は天地の造り主であられる神様が、天地創造の前に既に、皆さん一人ひとりのことを思って、生まれてくるようにとご計画をお立てになり、楽しみに待っていて下さったのです。そしてある時、皆さんの命がお母さんのお腹の中に宿りましました。赤ちゃんの方からすれば、気付いたらお腹の中に居て、そこは暖かいし、酸素と栄養はへその緒を通してもらえるし、お母さんの心臓の音も聞こえて、安心です。そして、ある日「さぁ、生まれて行きましょう」とお母さんのお腹が押し出してくれて、皆さんは生まれてきました。それが皆さんの誕生日です。赤ちゃんからすると、押し出されてくると、さぁ行くぞ! でももしかしたら、お母さんのお腹の中、とっても居心地が良かったのに出て行かないといけないの、と不安に思う赤ちゃんがいたかもしれません。でも生まれてみれば、助産師さんが受けとめてくれて、すぐお母さんの胸元に抱っこされて、安心でした。これが人生の入り口です。  人生の出口、これは大人の私たちもまだ分かりません。まだ誰も経験していません。人生の出口を迎える時って、二つの不安があります。一つはみんなとお別れする、この世界での生活が終わってしまう寂しさ。これについては、言葉を交わせる内に、あなたに敢えて良かったとお互いに言えること、有り難うの思い(感謝)、あの時はごめんね(謝罪)、気にしていないよ(赦罪)、と思いを伝え合えると安心です。

もう一つは、出口の向こうではどうなってしまうのだろうという不安。これについては、日本人のある人たちは、ご先祖のお迎えがある、と言ったりします。日本のお盆は、それを先取りするようなご先祖が来てくれる行事です。

教会には、お盆はありません。そうではなくて、いずれ、天から主イエス・キリストが救い主として来られる(フィリピ三・二〇)と信じています。 世の終わりには、私たちを迎えて下さる。それ以前に地上の人生の出口を迎える場合には、出口の向こう側に主イエス・キリストが救い主として待っていて下さって、私たちを、よく来たねと受けとめて下さり抱きかかえて下さると信じます。それは丁度、出産の時には助産師さんが受けとめ、お母さんの胸元に抱っこされるようにです。

 

今日の説教題は「楽しみに待つ」でした。待つ時、ただ待つのではないことを確認しましょう。旅行に出かける。待ち遠しいですね。だからワクワクしながら、旅行に出かける準備をしますね。お店の人が、お客さんが来てくれるのを楽しみにしながら、商品を整え、掃除をしてお店を綺麗にして準備して待ちます。農家の人が秋の収穫を楽しみにしながら、春には種を蒔いたり苗を植えたり、水をやり肥料をやって、収穫の準備をします。テストの結果も楽しみに出来るように準備します。 人生の入り口、出産を楽しみにしながら、お母さんはお腹の赤ちゃんを大事にして準備をします。  人生の出口、安心して出口に立てるように、やはり準備が必要です。まず神様が準備下さいました。それは、イエスさまが十字架におかかりになって私たちの罪を負って下さって、私たちを罪贖われた者として迎えるようにして下さり、死人の内から甦って希望を整えて下さいました。そうやって神様が、イエスさまが準備して下さいました。  私たちの準備は…? 毎週、教会の礼拝に集い、イエスさまが救い主として私たちを受けとめて下さる福音を聞き続けることです。そうやって人生の出口で迎えてもらえると信じます。すると地上の日々の生活、生きている内から、聖霊なる神様が共にいて下さると信じられるようになります。地上に生きている内から天国は始まっています。

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