日本キリスト教団河内長野教会

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説教集

SERMONS

2025年10月19日 説教:森田恭一郎牧師

「隔ての壁を取り壊す」

ヨシュア記六・一二~二一
エフェソ 二・一四~二一

モーセの後に神さまのご命令を聞いて、民のみんなをカナンに導いたのはヨシュアでした。ヨルダン川を渡り、見えてきたのはエリコの城壁でした。当時人々は敵から守るためにグルッと城壁を築いてその中に住みました。聖句カードを見ると(二〇二五年度版No.28)、後ろに城壁があってその上に兵隊さんが見えます。神さまの約束の地に行くにはこの町は避けて通れません。

 

その時、神さまがヨシュアに言われました。 「町を一周し、それを六日間続けなさい。七人の祭司は、それぞれ雄羊の角笛を携えて神の箱を先導しなさい。七日目には、町を七周し、祭司たちは角笛を吹き鳴らしなさい。彼らが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、その音があなたたちの耳に達したら、民は皆、鬨の声をあげなさい。町の城壁は崩れ落ちるから、民は、それぞれ、その場所から突入しなさい」(ヨシュア記六・三~)。城壁の周りをただグルグル回る。六日間は一周だけ、七日目は七周。七日目はオーッと声をあげる。そうしたら城壁は崩れるって。不思議ですね。

 

神さまからそう言われて、ヨシュアも民のみんなも「どうしてそんなことするの、そんなことして何になるの、意味ないよ」とは言いませんでした。言われた通りにします。カードを見て下さい。何か担いでいますね。それはモーセが神さまから授かった十戒を刻んだ石の板が入っている契約の箱です。神さまが共におられるしるしの箱です。

初めの六日間、エリコの町を囲む高~い城壁の周りをグルッと一周します。角笛を携えた祭司たちは、吹き鳴らします。ブオー。但しそれ以外の人はシーッ。黙って歩きます。それを六日間続けます。七日目は、この日は一回りでなく七周です。祭司たちが角笛を吹き鳴らし、七周目に、ヨシュアが民に命じます。「鬨の声をあげよ」。みんなは一斉に「オー」。神さまの命じられたようにしました。すると不思議、不思議。武器で戦うことは何もしていないのに、高い壁が崩れ落ちました。

 

私たちにも、高い壁にぶち当たることがあります。高校受験、大学受験、就職試験、壁ですね。壁にぶつかる。人生の困難、これも人生にきっと意味があることでしょう。またこういう高い壁があります。例えば、敵対意識をもったりします。スポーツならともかく「お前なんか大嫌いだ」と意地悪してしまう。「あんな人赦せるもんか」と無視したり、素直に「ごめんね」と言えなかったり、色んな壁があります。自分の心の中にある壁、誰もが気付かない内に造ってしまう壁です。そしてこれがなかなか壊れない。聖書はこれを敵意という隔ての壁 (エフェソ二・一四)と言っています。

 

でも、大丈夫です。主イエス・キリストが取り壊し、取り除いて下さいました。実に、キリストは私たちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました(エフェソ二・一四~一六)。こうして私たちは、キリストにあって聖なる民に属する者、神の家族です。

ヨシュアが神さまのご命令を受けて、祭司が契約の箱を担いで、六回も城壁の周りを回りました。何の意味があるのだろう。それは私たちも、何度も何度も日曜日には礼拝をささげます。民のみんなが鬨の声をあげたように、私たちも心を一つに祈りをささげ、信仰告白を告白し、洗礼を受け、高らかに賛美を歌う。七日目という時が満ちると、イエス・キリストが壁を取り壊して下さいます。

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