創世記9章12~17節
マルコによる福音書9章7節
今日は、家族友だち礼拝ということで、こんなに沢山の皆さん方が礼拝にお出で下さいました。教会の私たちも嬉しく思いますし、また誰よりも神様が一番喜んでおられることと思います。
今日は、旧約聖書に登場するノアという人のお話。神様がノアに、虹を雲の中に現わして下さったというお話です。
神様は初めに、この天地宇宙の世界と、そして人間をお造りなりました。「どんなみんなになるかな」と、とっても楽しみにして 喜んでお造りになりました。それは皆、とっても良く、はなはだ良く出来上がりました。神様が愛そうと思って造られました。だから私たちは愛されて生まれてきました。また私たちはみんな神様に愛されている者同士、みんな仲良くして欲しいなと思ってお造り下さいました。
ところが不思議なことに、人間はいつしか、神様が自分たちを造って下さったのに、そのことを忘れて、自分たちが一番偉いのだ、と神様を忘れてしまいました。皆さん、喧嘩したり、何か悪いことして、お父さんやお母さんから叱られたことありませんか。人間たち、何だか、みんなが喧嘩したり、殺し合ったり、悪い事ばかり考えるようになってしまいました。神様は、地上に人の悪が増し常に悪い事ばかりを心に想い図っているのをご覧になり(六・五)ました。それでは神様がお造りになった意味がありません。神様に有難うと賛美をささげ、皆も一緒に仲良くするようにと、神様は人間をお造りになったのに…。
神様は、とてもとても御心を痛められて、人間をお造りになったことを後悔しました。とっても悲しかったのです。それで大雨を降らせて洪水を起こし、全ての生き物を滅ぼすことにしました。
ただその時、ノアだけが神様の好意を得て、ノアに箱舟を造らせました。そしてノアと家族と生き物の一対ずつを、その箱舟に載せて、滅ぼされないようにしました。そして、雨が降り始め、洪水になり、箱船に入ったノアたちは助かりました。
随分経って、雨がやみ、洪水の水も引いた後、神様は、ご自分の御心に言われました。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼い時から悪いのだ。私はこの度したように生き物を悉く打つことは二度とすまい」(八・二一)。それで、ノアと共にいる家族や全ての生き物たちとの間に契約を立てることにしました。契約というのはお約束の事です。
約束したということが分かるように、契約=約束のしるしを作ってくれました。それが虹だったのです。虹! 虹、みんな見たことありますか。
(虹の絵を見てもらって)先週、教会学校の分級で子供たちに書いてもらいました。一つ質問。虹は幾つの色がありますか?(絵を閉じる)。三色だと思う人、五色だと思う人、七色だと思う人、十色だと思う人…。(絵を見せながら)答えは七色です。
あれっ? 太陽、書き忘れちゃった? そうではありません。虹は、真っ青に晴れた青空には現れません。雨が降った後に現れます。ノアの物語でも、虹が現れたのは、降った雨がやみ、洪水が終わってからです。だから太陽や青空ではなく、雲です。だから一三節に「私は雲の中に私の虹を置く」。雲の中です。太陽の絵が無いのは正解。
改めて「私は雲の中に私の虹を置く」。雲があるのは雨が降った後だからですね。でももう一つ。雲がここに出て来るのには理由があります。新約聖書マルコ九章七節、すると、雲が現れて彼らを覆い、雲の中から声がした。「これは私の愛する子。これに聞け」。雲は、神様がおられるしるしでした。聖書の舞台になる地域は雨が少ない所だから、雲がモクモクと湧き起って雨が降るのは、神様の恵みだと、神様に感謝したくなったのでしょうね。それできっと、雲は神様がおられるしるしになった。
しるし。雲が神様なのではありません。雲はあくまでも雲そのものでしかない。でも雲を見た時に、人々は神様を思い起こした。見えないものを思い起こさせてくれるものをしるしと言います。
今日は、虹がしるし。それは見えない契約=約束のしるし。虹を見たら契約を思い起こす。一三節続いて、これは私と大地の間に立てた契約のしるしとなる。虹が契約のしるしになりました。契約の内容、約束して下さった中身は、一五節、水が洪水となって、肉なるものを全て滅ぼすことは決してない。
神様が私たちを滅ぼすことは決してない。その理由は私たち人間がもう滅ぼされることのないようにと悔い改めたからでしょうか? いつも立派な人になったからでしょうか? いえ、そうではありません。八章二一節にこうあります。主は、御心に言われた。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ」。人が悪い事ばかりする、その度に滅ぼしていたらきりがない…、というのですね。代わりに、主イエス・キリストが滅びを十字架で負って下さるのです。だから滅ぼさない。
さて、この虹を、ノアは下から見上げます(ノアの絵を雲の下に見せて)。雲の中に現れる虹。虹はそれ自体、虹でしかないのですが、虹を見るとノアは神様の滅ぼさないという御心を思い起こします。
今日の話は、神様の御心を知ったノアさんのお話ですが、聖書をよく読んでみると、思い起こしているのは誰でしょう? 雲がモクモクと湧き起ります(雲をもう一つ虹の上の方に掲げて)。虹の上から神様が虹をご覧になっていますよ。一四節以下、私が地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、私は、私とあなたたちならびに全ての生き物、全て肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。神様の立てられた契約=お約束を思い起こして心に留めるのは、誰よりも神様です! 続けて、水が洪水となって、肉なるものを全て滅ぼすことは決してない。雲の中に虹が現れると、私はそれを見て、神と地上の全ての生き物、全て肉なるものとの間に立てた永遠の契約に心を留める。神様がお約束を御心に留めておられます。
皆さん、本物の虹を皆さんが雲の中に作ること出来ますか? 神様が虹を置いて下さいます。神様が置いて下さる限り、雲の中に虹が現れなくなることはありません。私たちが何か立派になって虹を作り出さねばならない、のではありません。神様がなさいます。だから安心です。
最後にもう一つ質問。虹は七色でしたね、それでは一番上の方の色は何色ですか?青だと思う人、緑だと思う人、黄色だと思う人、赤だと思う人…。(絵を見せながら)答えは赤です。今日、いちご狩りに出かけます。苺の色は? 赤です。今日、苺の赤色を見たら、虹の赤色を思い起こして下さい。虹を思い起こしたら、神様からの恵みのお約束を思い起こして下さいね。