「口は、神を賛美するために」

森田恭一郎牧師

(マラキ三・二三―二四、ルカ一・一九―二〇、五七―六六)

先ほど讃美歌を歌いました。これはマリアさんのことを歌った讃美歌です。一九〇番、こどもさんびか五〇番です。

♪「マリアはそれを聞いて答えました。

『お言葉の通りに 成りますように。

 神の御心に従います』」(六節)。♪

今日は、神殿で祭司の仕事をするザカリアが口を開けて神さまをほめたたえ賛美したというお話です。ザカリアはもうお爺ちゃんでしたが、ザカリアも歌います。最初に歌った讃美歌一八二番、こどもさんびか四三番。

♪「ほめうた歌え、主なる神に、

 主はその民を顧みられ、

 自由と平和、与えられる。

 預言者たちの告げた通り」。♪ 

今日の礼拝の終わりにまた皆で歌います。この賛美の歌、でもザカリアが誉めうた歌うのに、ある事が起こってから十ヶ月もかかったんです。

ある事というのは、ある日のこと、ザカリアは神殿で祭司のお仕事をしていました。お祈りをするのが大事なお仕事の一つです。その日もお香を焚いてお祈りしていました。お香を焚くと煙がモクモクと上に向かっていく。そしてお祈りをその煙に載せるようにして神様に祈りを届けます。

そうしたらお香の置いてある壇の所に天使が現れました。そして言うではありませんか。「ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた」。いいですねぇ。お祈りは神様が聞き入れて下さるのですね。そして天使は言いました。「あなたの妻、エリサベトは男の子を産む」。その子は、旧約聖書の一番終わりの言葉、預言者エリヤをあなたたちに遣わす(マラキ三・二四)と書かれている預言者の役割を果たす子なのだ。「その子をヨハネと名付けなさい」。

良かったですね、喜ばしい知らせ、いい知らせです。でも天使の告げたお言葉をザカリアは信じようとしませんでした。だって、もうお爺ちゃんだったから。妻もお婆ちゃんだったから。それで言いました。「私は老人ですし、妻も年をとっています」。

そうしたら天使が何て言ったと思いますか。 

「私はガブリエル、神の前に立つ者。あなたに話しかけて、この喜ばしい知らせを伝えるために遣わされたのである。あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことが出来なくなる。時が来れば実現する私の言葉を信じなかったからである」。えっ? 話せなくなる? さぁ大変! ザカリア、話そうとしましたが、うまく話せません。声も出ません! それからというもの、ザカリアさんは何度も心の中で天使の言葉を思い起こしたことでしょう。時が来れば実現する天使の言葉を信じなかったからだぁ~、時が来れば実現する天使の言葉を信じなかったからだぁ~。

そう繰り返している内に、大事なことに気が付きました。時が来れば実現するんだ、天使の言葉。それにそうこうしている内に、妻のエリサベトのお腹が大きくなってきたことに気が付きました。エリサベトは男の子を産むんだ。神様は私たちの願いを本当に聞き入れて下さったのだ! 信じなかった私が間違っていた。ご免なさい。お言葉はやっぱり本当だ! 時が来れば実現するんだ、天使の言葉。時が来れば実現するんだ、神様の言葉。このことを味わう一か月、二か月、三か月…でした。

さぁ十か月、時満ちて、エリサベトは男の子を産みました。天使が告げた神様のお言葉通りです。

八日目に、ユダヤ教の割礼を施すために親類の人たちも集まって来ました。教会でいえば幼児洗礼です。そしてみんな、父親が名前を付けるのを楽しみにしています。あの頃の習わしでは父親や親せきの名前を入れるようです。日本でも、両親の名前の一部を名乗ることがあります。例えば、小学生には難しいかな、源頼朝→源頼家、平清盛→平重盛、高校生なら解かる。それで周りの人たちは、ザカリアの息子はザカリアと思った。そうしたら母エリサベトが「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言いました。それで父親に尋ねた。父ザカリアは口が利けませんから、(ジェスチャーしながら)板を持って来させて、(実際に板に)名前を書きました。「この子の名はヨハネ」。ヨハネと書いたので、人々は皆驚きました。すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。

さてここで問題です。二つ。まず第一問、ザカリアはたちまち口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めたのですが、それはいつでしたか? 三つの中から選んでください

1、ヨハネが本当に生れてくるのだと気付いた時

2、ヨハネが本当に生れた時、

3、この子の名はヨハネと名付けた時

正解は3です。ザカリアが神様のお言葉通りにこの子の名はヨハネと名付けた時に、すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めたのです。心の中で思っているだけ、心の中で信じているだけでは賛美にならなかった。実際に口にしたとき、と言っても話が出来ませんから、神様のお望みになられた通りに、板に書いてはっきりと表したときに、口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めました。

心の中だけで信じている、良さそうだけども、本気で賛美にならない。やはり信仰の告白をし、洗礼を受ける。それでこそ遠慮なく賛美が出来る、本気で神を信じる者として生きていける訳です。

次、第二問目。ザカリアは、口が開き、舌がほどけ話せるようになって何を言いましたか。

1、十か月も話せないようにさせるなんてひどい、  と天使と神様を嘲(あざけ)り罵(ののし)った。

2、どうして話が出来なくなったか、それは天使  の言葉を信じなかったからだと説明した。

3、そのお言葉が本当に実現する神様を賛美した。

正解はこれも3です。

私たちの唇は、お話しするのに必要です。でもお父さんやお母さんにブーブー言うためにあるのですか。相手を悪く言うために罵ったり馬鹿にしたりするためにあるのではありませんね。神様を賛美するため、誉めたたえるためにあるのです。

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